国際グリム賞
第16回贈呈式
- 日時
- 2017年10月1日(日)
- 場所
- 國民會館武藤記念ホール(母校北側)
- 受賞者
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ロバータ・シーリンガー・トライツ博士(アメリカ・ イリノイ州立大学教授)
プロフィール
アメリカ合衆国。1991年に、米国ベイラー大学で、作家マーク・トゥェインの研究で博士号を取得。1991年から、イリノイ州立大学文学部で教鞭をとり、2013年からは、Distinguished Professor(特別教授)である。 主要著書で邦訳されているのは『ねむり姫がめざめるとき―フェミニズム理論で児童文学を読む』(1997年)、『宇宙をかきみだす―思春期文学を読みとく』(2000年)があり、思春期文学、ジェンダー研究、歴史的視野からの文学研究を理論的なアプローチによって行い、児童文学研究の分野を開拓してきた。 また、2000~2004年には、アメリカ児童文学協会の機関誌「季刊 童文学教会誌」の編集長を務め、2008年には、アメリカ児童文学学会の研究大会も開催し、2006~2007年には会長を務めた。このように、組織的にも、研究者の育成という意味でも国際的に貢献している。
- 贈呈式
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第16回国際グリム賞贈呈式および記念講演会が國民會館武藤記念ホール(母校北側)で行われました。今回はロバータ・シーリンガー・トライツ博士(アメリカ・ イリノイ州立大学教授)が受賞されました。贈呈式では、大阪国際児童文学振興財団 宮川健郎理事長の挨拶に続き、大阪府立大手前学校同窓会金蘭会会長・(一財)金蘭会理事長の 石田良一氏より、トライツ博士に、正賞の楯および副賞百万円が贈呈されました。続いて、来賓の大阪府教育委員会 橋本光能教育監からお祝いの言葉が述べられ、トライツ博士による受賞の言葉をもって、贈呈式は終了しました。 受賞のことばの中で、トライツ博士は、本賞の関係者に謝意を述べた後、過去の受賞者からも祝されたこと等を、述べられました。
通訳は松下宏子さん
- 記念講演
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引き続き、思春期文学研究・ジェンダー研究・歴史的視野からの文学研究を理論的なアプローチによって行い、児童文学研究の分野を開拓して来られたトライツ博士による、「児童文学をよむージェンダー、パワー、ケアの倫理の視点から」と題した記念講演が行われました。
講演では、「人魚姫」「リトル・マーメイド」「崖の上のポニョ」などの作品を紹介しながら、自身が研究してこられたフェミニズム理論や「ケアの倫理」について話されました。会場には、多くの児童文学研究者が来場され、熱心に聞き入っておられました。
参加者100名